「科学的根拠がない」と「科学的に否定されている」の違い 

このカテゴリーでは、世の中に広まっている誤解を正そうとしています。


よくテレビ番組などで、ある事柄について、「科学的根拠が無い」ということを根拠に否定する話が出てきますが、「根拠が無い」ということは、「根拠が見つかっていない」というだけで、積極的に否定する理由にはなりません。

もしそれが、「科学的に否定されている」であれば、「否定する根拠が見つかっている」ということですから、これは積極的に否定する理由になりえます。

この二つは、意外に混同されていることが多いようです。


科学というものは、常に未発達なもので、本来的に発展途上にあるものです。新しい事実を発見していくものが科学であるなら、未発見の事実については、つねに「根拠」がありません。科学者が「科学的根拠が無い」というときには、「確信できる証拠がない」ということを意味しています。

そして、世の中のすべての事象を把握している人は、いくら科学者でもいないので、正しくは、「確信できる証拠を知らない」というのが正しいはずです。

テレビに出演して、明確に、

 「科学的根拠が無い」

と断言する科学者は、あまり優秀な科学者とはいえません。

 「私の知る限りでは、科学的根拠が無い」
 「私は根拠を知らない」
 「一般には科学的根拠が無いと言われている」

と言うほうが言動として正確であり、そういう発言の仕方こそ本物の科学者のものといえます。


さらに付け加えると、科学といえども、新しい発見が成し遂げられるまでの最初の段階では、すべてが理詰めで考えられているわけではありません。科学が人間の営みである以上、最初の段階では、明確な理屈がなくとも、感覚的に「ありそう」とか「なさそう」とかいう考えや、ひどい場合は全くの誤解などが、混沌と存在しています。その中から次第に、観測事実や数学的考察を裏付けにしつつ、明確な形で、法則や理論が出来上がっていきます。

従って、厳密に科学的に根拠が無いものをすべて否定していては、科学の発展は有り得ないといえます。


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